切りまわし
印刀を使って色版の形や線を切り出します。 このとき、刃の表刃が残す版の側に向いていることです。(浮世絵の彫りはこのかぎりではありません。)
これを逆に使うと、刃は版の内側に潜り込み、版の縁が弱くなり、刷りのときに欠けたり、絵の具が溜まりやすくなるのきれいな刷りができなくなります。
また、刷りのときに色版と色版は僅かに重なり合わないといけません。隣り合う色版との間に隙間を作らないように、転写した線の外側 (不要箇所側、さらってしまうほう) に印刀を入れます。
表刃
裏刃
良い彫り
(^^)/
悪い彫り(>_<)
薬研彫り
見当も含めて、全体の切りまわしが終わったら、必要な色版面と不要箇所の間に溝をつくります。 印刀を少し傾けて切りまわしと逆の方向に刀を入れます。.すると、V字に切ったところはめくれあがり簡単に溝ができます。
きわ彫り
次に、丸刀を使って、切り出した版面のきわを台形の斜面をつくるように彫ります。(上図のよい彫りを参照ください)
さらい 不必要な部分をさらいましょう!
不要箇所を丸刀でさらいましょう。 そして、全体をさらったら 平刀(浅丸でもOKです)で さらった部分を滑らかにしておきましょう。 a の版はつけ合わせぼかしを刷るので 刷毛の動きが一定方向です、かなり広くさらいます。
刷りのときに、バレンは版面以外のところにも圧力をかけてしまいます。 さらった外側の縁にもバレンの圧力がかかります。 縁が滑らかでないと和紙に型がついてしまいます。 平刀で滑らかにしておきましょう。 また、サンドペーパーをかけてもいいです。
これで、a の色版の出来上がりです。
この要領で全ての色版を彫ります。 画像の右手に歯ブラシが見えますが、木屑等を取り除くのに便利です。
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