ごま刷りは、ごまを撒いたような刷りです。 つづいて、b と c の版をごま刷りします。
ごま刷りは、絵の具だけを使い、のりを混ぜません。 そして、軽くさする(摺る)ように刷ります。 まず、版面に水を少々与え、墨を置き、 刷毛で版面全体に回転運動で広げます。 そして、刷毛ばらいをして 軽くさする(摺る)ように刷ります。
版面に墨をのせた段階で、一部分をタオルで拭いて陰影(ぼかし)をつけることにしました。 軽くさするように刷って b と c の版のごま刷り完了です。 ごま刷りは、一度乾かす(一日置きます)と その上から色刷りを重ねても滲みません。ですから、深い色合いの表現ができます。
ごま刷りは いろいろな表現ができます。
ごま刷りは、水と絵の具の量を変えることで、いろいろなごま刷りができます。 水が多いと粗いごまに、少ないと細かなごまを刷ることが出来ます。
画像の作品の島の部分はごま刷りだけで表現しました。
さて、アンスリウムの刷りも最後の段階になりました。
c の版、緑のベタ刷りを刷ってみましょう。 まず、少し水を版面に与え湿します。
次に絵の具とのりを置き、刷毛で混ぜながら版面全体に広げます。 そして、刷毛を木目と直角の方向に掃く様にやさしく版面の絵の具を整えます。 最後に刷毛ばらいで絵の具の溜まりを取り除きます。
和紙を見当に合わせ、セットして バレンを静かに置き、強く刷って完成です。
べた刷りでの色彩のコントロール
私の 浮世絵摺り体験 ワークショップ では、神奈川沖浪裏の舟と空は同じ黄土色を使っています。 それから富士山のバックの墨のぼかしと舟の下部の色(ねずみ色)も同じ墨を使っています。 同じ色でも水や絵の具と水の量で色の明度をコントロールするこができます。
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