ぼかし刷り

木版画作り方

 

アンスリウムの刷りの工程は、上図 左から右に順に刷っていきます。


1  a-版 赤と黄色のつけ合わせぼかし

2  b-版 墨のごま刷り

3  c'-版 墨のごま刷り 

4  c-版 緑のベタ刷り

 

つけ合わせぼかし

ぼかし刷り

まず、絵の具とのりを版面に置く前に、少し水を版面に与えます。

 

 

 

 

そして、黄色の絵の具と赤い絵の具を版面に置きます。

 

 

 

 

次にのりを置きます。黄色の絵の具から、赤い絵の具に向けて長くのりを置きます。つけ合わせぼかしは刷毛の動きが一定方向ですので、版面でのりと絵の具を混ぜ合わせることができないからです。

ぼかし刷り

刷毛の動きは左画像のように一定方向に動かします。

 

 

 

 

すると、黄色と赤の絵の具が混ざり合い、ぼけてきます。

 

 

 

 

つけ合わせぼかしは刷毛ばらいができません、綿棒を使って絵の具の溜まりを取り除きました。


ぼかし刷り

最後に強く刷って刷りあがりです。 この色版はつけ合わせぼかしをするためにさらいを広く彫ってあります。 ですからバレンがさらいの部分に落ちやすい(けつが落ちるといいます) ので注意してバレンを動かします。

 

 

 


その他のぼかし刷り

片ぼかし

ぼかし刷り

浮世絵の空の表現で、作品の上部にブルーの片ぼかしがよく見られます。

「一文字ぼかし」と言われます。

ぼかし刷り

ぼかしたい範囲に少々水を与えます。 次にブルーの絵の具を置き、のりも置きます。つけ合わせぼかしと同様に同じ方向に刷毛を動かします。

ぼかし刷り

強く刷って刷りあがりです。 片ぼかしは水と絵の具のつけ合わせぼかしとも言えます。

 

 

 

浮世絵のぼかし方「拭きぼかし」

ぼかし刷り

浮世絵のぼかし刷りでは、手拭いを使って版面に水を与えます。 左の画像は、北斎の神奈川沖 浪裏の背景の隅の片ぼかしを刷っているところです。 ぼかす範囲を手拭いで拭くように左右に動かして版面に水を与えています。 これを「拭きぼかし」と言います。 (画像は浮世絵摺り体験風景から)

 

 

 

 

 

あてなしぼかし(まるぼかし)の作例

ぼかし刷り

 

 

 

 

 

 

 

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一版多色刷り

エンボス加工

 

ぼかし刷り

 

 

 

 

 

 

 

版は一版だけです。その版の中で色をぼかします。ぼかす版がない、あてがないところ からそう呼ばれます。

ぼかし刷り

 

 

 

 

 

 

 

この作品のように比較的小さなぼかしの場合、刷毛に絵の具とのりを付けておいて、叩くように版面を叩くように絵の具を置き、次に上画像のように刷毛を外から内に向けて掃くように動かしてぼかします。

 



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