木版画の道具もピンから切りまであります。
どこまで木版画にこだわるか?道具にこだわるか?
によって選択する道具は違ってくると思います。
特にバレンの性能、刷毛の良し悪し、和紙の選択によって作品の仕上がりは大きく変わります。
安価なバレンではきれいなベタ刷りは刷れません。
この刷れないことが木版画は難しい!面白くない!になってしまうことも多々あります。 道具はある程度の性能を持ったものを揃えることをお勧めします。
彫刻刀
彫刻刀には、その作業に応じた刀があります。主に 印刀、丸刀、三角刀、平刀などがあります。 画像の左から6ミリの印刀、6ミリ三角刀、6ミリの平刀、3ミリの丸刀、6ミリの丸刀です。基本的にこの5点があればよいでしょう。 画像に見える方が刃の表刃でその裏側が裏刃といいます。
バレン
バレンには、200円ほどのスクールバレンから10万円ほどの本バレンまで、さまざまです。200円ほどのバレンはなかにボール紙が入ってるだけで、刷りの効果は期待できません!
私も、「ちょっと年賀状を、、」と 200円ほどのバレンを買って、全然刷れなかった経験があります。 竹の繊維を撚り合わせたバレン芯を使った本バレンはすばらしいものです。
しかし、高価なので、最初はプラスティック製のディスクバレンをおすすめします。竹皮の交換も必要なく入門用に適していると思います。
刷毛
刷毛は版面で絵の具とのりを混ぜ合わせ、広げるために使います。画像の上に3個並んでいるのが丸刷毛、版面の大きさによって使い分けます。 画像右下に3本並んでいるのは刷り込み刷毛です。
小さな版面などに使います。(鹿の夏毛と冬毛がありますが、私は夏毛が使いやすくてよいかと思います。) 画像左したに並んでいるのは、運び筆です。絵の具を版面に運ぶためのものです。 (バレンの竹皮が破れたら繊維を細かく裂いて運び筆を作ったりします。)
絵刷毛
和紙を湿すときに厚紙を湿らせるために水刷毛を使ったりします。ちょっと、お高いので、絵刷毛を使って版の湿しと共用で使えばよいかと思います。
和紙
和紙には、美濃紙、鳥の子、奉書紙、がんぴ紙などの種類があります。
そして、匁(もんめ)という単位で和紙の厚みが変わってきます。3~25匁ぐらいのものがありますが、厚みが厚くなるほどバレンの効き目が落ちます。 多色摺りなど何度も摺る作品にはこうぞ100%の和紙を使われることをおすすめします。 また、10~12匁の和紙が使いやすいと思います。
版木
版木にもいろいろな種類があります。さくら、ホウ、カツラ、シナベニヤなどがあります。 シナベニヤは安価で、大型の作品づくりにも向いています。(建築用のシナベニヤと木版画用のシナベニヤは構造が違いますのでご注意ください。) 彫りの前に版木を磨いておくことをおすすめします。ベタ刷りがとても楽になります。 まず、120番のサンドペーパーをかけて、次に400番のサンドペーパーをかけておくとよいでしょう。その時に、木目と同じ方向にペーパーをかけるようにしてください。
絵の具
木版画に使う絵の具には、水性絵の具と油性絵の具、大きく分けて2種類あります。油性絵の具や各種インクなどは、油分が多すぎて紙を痛めたり、版木を痛めたりするので注意が必要です。 水性絵の具にも、不透明水彩、透明水彩、日本画用水性絵の具、ポスターカラーなどがあります。 こちらは、紙や版木を痛めることはなく、日本画の粉末絵の具を除けば扱いも簡単でおすすめです。
その他
下絵のトレース、版木に転写のときに、シャープペンシルや定規、トレーシングフィルム(トレーシングペーパーよりも正確にトレースできます。) カーボンペーパーが必要です。刷りの段階では 澱粉のりや和紙を湿すときの厚紙が必要になります。
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